苦手な同僚が同担だった件について。


 竜矢くんはパン! と私の背中を叩く。反動で背筋がピンと伸びた。


「誰にだって失敗はあります。でもカバーしてくれる仲間がいるんです、大丈夫ですよ」
「あ……」


 そういえば、テンパっていてあまり周りが見えていなかったけれど、すぐに天王寺さんが状況を聞きに来てくれた。
 他の方もすぐに動いてくれて色々確認してくれて、こっちは大丈夫だからって私を送り出してくれた。

 橋本さんも途中で投げ出すことになってしまったのに、「調整できないか先方と相談してみます」と言ってくださって。
 私はただすみません、としか言えなくて……。

 ちゃんと「ありがとう」を言えていたのだろうか?


「私って、本当にダメですね……」
「だからそんな顔しないでよ! 切り替えよ」
「はい」


 竜矢くんも忙しいはずなのに、私のために時間を使ってくれている。

 謝罪の時も竜矢くんにとても助けられた。
 まず先方はそこまで大事にするつもりはなく、発注ミスもまだ修正が効く段階だったので問題ありませんよ、と言ってくださった。
 それなのにわざわざ来社してもらって恐縮です、とも言ってもらえた。


「修正いただきありがとうございます。ですがお手を煩わせてしまったこと、弊社の信頼を損ねる行為でした。このようなことは二度と起こらないように再発防止に努めて参ります」
「どうか、今後ともチェスターをよろしくお願いいたします」


 一緒になって深く頭を下げてくれた彼の誠意と優しさを、もっと好きになった。


< 89 / 140 >

この作品をシェア

pagetop