苦手な同僚が同担だった件について。
* * *
翌日、私はいつも通り出勤する。
胸あたりまである髪は一つに束ね、後れ毛一つない。メイクは最低限でかなり薄い。
洋服は安物を上手く着回している。手抜きに思われるかもしれないけど、これが私のオフィススタイル。
私は事務職で社外の人と会うこともないし、適当でいいと思っている。
そもそも高いコスメや洋服は現場に行く時に使いたいので、普段使いにはもったいない。
別に私のことなんて誰も気にしないしね。
「あっ! おはよう、角田さん!」
「……飛鳥さん」
まさか朝から会うなんて。
「おはようございます」
「朝から角田さんに会えるとかラッキー!」
私はむしろアンラッキーなのだが。
「この後メールで詳細送るんだけど、角田さんに頼みたいことがあるんだ」
「何でしょう」
「クライアントに提出するレポートをまとめて欲しくて」
仕事の話になったので瞬時に切り替える。
「承知しました」
「悪いんだけど急ぎで……明日までってお願いできますか?」
「大丈夫です」
明日は特に何もなかったはずだ。
今日の案件はほぼ終わらせているし、時間としては充分ある。
詳細はメールを確認しないとわからないが、難しい程でもないだろう。
「ありがとう! よろしくお願いします!」
飛鳥さんはそう言って自分のデスクに着いた。
ほんの十分程度でメールが届いた。作成して欲しいレポートの内容が細かく記載されており、抜け漏れもない。