苦手な同僚が同担だった件について。


 嬉しそうな橋本さんを見て何とか間に合ったことに安堵した。
 戸川さんにも心から感謝した。


「戸川さん、本当にありがとうございました。戸川さんのおかげで助かりました」
「いえいえ、お役に立ててよかったです~。それに、実はちょっと嬉しかったんですよね~」
「嬉しい?」
「角田さんって完璧すぎるんですもん。なのに歩美は全然ダメだし……」
「そんなことないですよ。戸川さんがいてくれてとても助かりましたから」
「えへへ、嬉しい」


 心から嬉しそうにはにかむ戸川さんの笑顔を見て、何となく戸川さんのことがわかったような気がした。

 彼女は良い意味でも悪い意味でも素直なのだ。


「それじゃあお先に失礼しますね。お疲れ様でした!」
「お疲れ様でした。ありがとうございました」


 もう一度深くお辞儀をして戸川さんを見送った。
 あと少し他の案件をやってスケジュールを確認して、私も上がろうと思った。
 だいぶ気疲れしているけれど、もうひと踏ん張りだ。

 チラッとデスクを見たら、もう竜矢くんはいなかった。既に帰ったのかもしれない。
 後で改めてお礼のメッセージを入れておこうと思った。


「さあ、あと少し頑張ろう!」


 週末はエルナイのライブ映像を見て回復しよう。
 こういう時こそ推しに思う存分癒されたい。


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