『可愛い君へ』
「吉川・・・すごく残念なこと言っていい?」
「なんだよ。」
「あのさ・・・響子先輩と朝霞部長・・・ご結婚されるんじゃない?」
「はあ?!」
吉川が思わず叫んだ。
「んな馬鹿な。」
「響子先輩は吉川に自分への恋心を諦めさせる為に、そういう場を設けたんじゃないの?」
「そんなあ・・・」
吉川はがっくりと肩を落とした。
「でも吉川ひとりじゃ可哀想ってことで私が呼ばれたのかも。」
「・・・・・・。」
しゅんとしてしまった吉川に花苗は励ましの言葉をかけた。
「でもまあ、そうと決まったわけじゃないし。そのときは私が慰めてあげるから元気だして?」
「・・・おう。」
吉川はとぼとぼと自席へ戻って行った。