かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません
「光高さんがそう言ったの?」

「ああ、俺がつぐみとやり直したいと言ったら、それなら安心だって」

「そう」

(やっぱり偽りの言動だったんだ)

つぐみはショックを隠しきれなかった。

「つぐみ、俺とやり直そう」

柿崎は項垂れているつぐみを引き寄せ抱きしめた。

間が悪いとはこの事を言うのだろう。

取引先から戻った光高が車から二人の姿を見ていたのだ。

(あれは柿崎とつぐみじゃないか、つぐみ、やはり柿崎とやり直したいって事なのか)

つぐみはいく宛もなくて、柿崎のマンションに世話になることになった。

その頃、現実を受け入れられない光高は、離婚届けを目の前にして、サインすることに躊躇していた。

(つぐみ、俺はお前を諦められない)

そんな矢先つぐみは柿崎のマンションでつわりの症状に悩まされていた。

柿崎はその事実に気づく。

「つぐみ、妊娠しているのか」
< 43 / 46 >

この作品をシェア

pagetop