エイプリルフールの嘘

 「博君」

 そして、公園に着くと、彼がブランコに座っていた。
 はあ、良かった。
 博君ちゃんといた。

 「綾……」

 そう、静かにこちらを見る博君。

 「ねえ、一体どうしたの?」

 私は隣のブランコに座る。

 「何でもないよ」

 そう言って顔を背ける博君。

 「何でもないわけがないじゃない」

 きっと博君は泣いていた。顔が赤いもん。
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