エイプリルフールの嘘
「俺は……俺は……」
言葉に詰まってるみたいだ。
きっと博君は勘違いしてるんだ。
まさかここまで落ち込むなんて。
「博君ごめん」
「俺は綾のことが……って、ごめん?」
博君がこちらを見る。
俺は綾のことがって、それ聞くの二回目だ。
「これ、完全に嘘なの。エイプリルフールの」
「どういう事?」
目を丸くしている。
「私と春斗君は本当に何でもないの。ただの友達」
「……そっか、今日は四月一日か」
「うん」
「何だそういう事かあ」
「え?」
「焦った。俺の元からいなくなるかと」
心配性だなあ。