隙なしハイスペ女子大生は恋愛偏差値が低すぎる。
───斉木さんのことは「ただの美人」としか認識していない。無論、入学式で見かけた時の衝撃は小さくなかった。とても地元では見られないような華やかなオーラを放ち、小さな顔がより引き立つ長身のスタイルは、雑誌やテレビからそのまま抜け出してきたのかと錯覚するほどだった。そんな彼女に心を射抜かれた男は少なくない、どころかかなり多かった。
けれど学内で彼女と噂になるような男は今の今まで一度も名前を聞いたことはない。俺だって興味こそあれ、別に彼女とどうにかなりたいなんて思いもしないし、仮に俺が望んだとて100%玉砕する未来は簡単に予想される。美人はたまに遠くから眺める程度で十分、仮にお近付きになれたとしても自分が苦しむだけだ。
それが自分が彼女に対する思考のあれこれの結果であり、「ただの美人」と認識するに至った経緯だ。
とは言え、斉木さんに彼氏がいるという事実は自分の中に1ミリ程度のかすり傷を与えたようだった。きっとそれは隣にいる紘だってそうだし、それを知った男性陣は全員そうなるだろう。
けれど学内で彼女と噂になるような男は今の今まで一度も名前を聞いたことはない。俺だって興味こそあれ、別に彼女とどうにかなりたいなんて思いもしないし、仮に俺が望んだとて100%玉砕する未来は簡単に予想される。美人はたまに遠くから眺める程度で十分、仮にお近付きになれたとしても自分が苦しむだけだ。
それが自分が彼女に対する思考のあれこれの結果であり、「ただの美人」と認識するに至った経緯だ。
とは言え、斉木さんに彼氏がいるという事実は自分の中に1ミリ程度のかすり傷を与えたようだった。きっとそれは隣にいる紘だってそうだし、それを知った男性陣は全員そうなるだろう。