Lord of My Heart 〜呪われ伯爵の白い(はずだった)結婚〜

 エドモンドが興奮しているのは傍目にも明らかで、ヒューバートは愉快に胸を躍らせた。

「それはまたとない光栄……いつか必ず伺わせていただくとしましょう。しかし差し当たっては来週、我がファレル家で舞踏会が催される予定なので、ぜひあなたにもいらしていただきたい」

 ヒューバートは胸に手を当てながら言った。

「ああ、もちろん君もね、エドモンド」
 と、付け加えはしたが、その青い目には優越感のようなものが光っていた。
 エドモンドの舞踏会嫌いをよく知っているからだ。

 これまで沈黙を守ってきたローナンが、「僕も行っていいのかな」と口を挟むと、ヒューバートは肩をすくめて「もちろんだとも」と答えた。

「それに、我が家の舞踏会には中央からも多くの客が来ますよ。ミルランド夫妻をご存知かな? バート家の若者たちは? 噂のリンドン姉妹は? 皆、うちの客なのですよ」
「まあ、ミルランド夫妻は小さい頃から存じ上げています。彼らも来るのですか?」
「他にも色々と来ますよ。それも何日か泊まっていただくのが常ですから、舞踏会に料理、ゲームなど、思う存分楽しんでいただけると思います」

「大きな集まりになりますのね、お屋敷は大変でしょう」
「なに、これも伯爵としての勤めというもの」
「そうかもしれませんね」

 弾んできた会話に気をよくして、オリヴィアはにっこりと微笑んでいた。

 ヒューバートはにんまりとほくそ笑んでいる。
 マーガレットはすまして傍観していて、
 ローナンは楽しそうに腕を組んで立っている。

 そして、エドモンドは国中の困難を抱え込んだかのように、眉間に深い皺を寄せて仁王立ちしていた。

「そんなわけで、エドモンド」

 わざと気軽な風を装って、ヒューバートはエドモンドの肩に手を置くと言った。「君にはぜひ奥さまをつれて屋敷に来てもらわなくちゃいけないな。きっと皆、君が来るのを首を長くして待っているよ」

 くそったれが、とエドモンドは思った。

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