シクシクとワクワクの星
シクシクは、ふわふわと宙を舞う光の生命体をじっと見つめた。
「ワクワクを試すって……どういうこと?」



光の生命体は、にこっと微笑んで答える。



「簡単よ! ちょこっとだけ楽しいことを想像してみるの!🌟」



「楽しいこと……?」



シクシクは、戸惑った。

楽しいことなんて、この星にはない。



「ほらほら、例えばね~!」



光の生命体は、ちょっとおどけたポーズをとる。



「ふわふわの雲に乗って、ぷかぷかお空をお散歩~☁️🎈」
「もしくは、星をぽんぽん投げてキャッチボール~✨🌠」



シクシクは、じとっと光る生命体を見た。



「……それ、意味あるの?」



光の生命体は、くるっと一回転して、むすっと頬を膨らませる。



「むむっ! あるのよ!! 💢だって、楽しいことを想像するだけで、気持ちが変わるんだもん!✨」



シクシクは、ため息をついた。



「……そんなわけない。」



「そんなわけある~~~!!!💖」



光の生命体は、ぷんぷんっと腕を組むと、急にキラッと目を輝かせた。



「よぉし! それなら、ちょっとだけ試してみよっか?💫」


「もしちょっとでも楽しくなったら……わたしの勝ちね!🎵」



「勝ち……?」



シクシクは、戸惑いながらも、小さく考え込んだ。



(意味なんてない……でも、この生き物はどうしてこんなに楽しそうなんだろう?)



ほんの少しだけ――
ほんの、ほんの少しだけ、気になった。



「……ちょっとだけなら。」



シクシクは、そっと目を閉じた。

真っ暗な世界の中。
シクシクは、ゆっくりと想像してみた。



……ふわふわの雲の上に、そっと座る。
……小さな星が、手のひらに落ちてくる。
……遠くの空が、ほんのり光り始める。



その瞬間だった。

シクシクの胸の奥が、ふわっと温かくなった。



「……!」



目を開けると、遠くの空に――
小さな光が、またたいていた。



「……え?」



この星では、星なんて光らない。
でも、今、シクシクが光を想像した直後に、星が瞬いた。

偶然? それとも……?

光る生命体は、ニッと笑った。



「ワクワクするとね、シンクロが起こるのよ!💫✨」



シクシクは、しばらく何も言えなかった。



「ワクワク…?」

「シンクロ…?」

その時、遠くの宇宙で、一瞬だけ 青い光 がまたたいた。

🌟 続く…!

次回、第3話「シクシク、シンクロを知る!」
ワクワクを試したシクシクの中で、何かが変わり始める…!?
< 2 / 14 >

この作品をシェア

pagetop