重いけどいいの?お嬢サマ
「大好き、オジョー……友達とか執事としてとか、全部の意味でオレはオジョーが大好き。これはかわらないよ」
「うん」
「オレの片思いだとしても、これからも大好き更新してくから。それだけは忘れないでね」
「うんっ」
「……オジョーは?恋愛以外の意味ではオレのこと、好き?」
「うん……大好きよ。これからも」
「そっか。その言葉だけでももらえたら嬉しいや」
私も矢絃の言葉が、素直に嬉しい。
頷きながら溢れた涙を、矢絃は拭ってくれる。
『もう、なに泣いてんの』って。
その手付きも優しいから、止めようにも止まらなくて。我慢しようと顔に力を込めれば、
「変な顔してる。変顔じゃんっ」
両手で私の顔を包みこんで、額に触れるだけのキスを落とした。
「っ……!」
「……すご、一瞬にして泣きやんだ。効果抜群?」
びっくりして引っ込んだだけだけど、泣きやんだことにかわりはない。
「も、大丈夫」
「うん。……ねぇ、オジョー。オレは片思い継続するけど、今まで通り接してよね。距離置かれたりしたら瀕死どこじゃないからねオレ」
「うん、分かってるよ。私も、矢絃と仲良くしていたいもの」
「ん、なら良かった。……んじゃ、オレ戻るね。ちゃんと冬服準備したし、奏矢に怪しまれないうちに。また、明日ねオジョー」
少し、悲しそうな表情を浮かべながら矢絃は手を振って部屋をあとにした。