重いけどいいの?お嬢サマ
✧締め付けられる心✧



◇*◇*◇



──目が、血走ってる。


矢絃に返事が出来たというのに、ほとんど寝れなかった。

いや、逆に返事が出来たから、なのかもしれないけど。


今朝、矢絃にはいつも通りに接すれば、満足そうにおはよって言ってくれた。


そして学園に行ってすぐ、慧にはちゃんと矢絃へ伝えられたことを言えば、


『良かったな』とハグをされて。

早く寮に帰ってきてくれーと言われた。


午後の執事たちとのダンスの授業も、普段通りに過ごすことができて……私の中では、ほんの少しだけぎこちなさが出てしまうかも、なんて思ってたけど杞憂だったみたい。


「あ、ごめんオジョーの足踏んだ」

「平気よ。体重のってなかったから」

「ギリセーフ?良かった。んじゃ、交代か……奏矢。……奏矢?」


私から離れ、奏矢と交代するはずが奏矢は立ったままどこかを見ていた。


「変なの。いつもならすぐオレと同じでかわれ今かわれ、ってスタンバイしてるくせに。奏矢、オジョーとオレ続けていいの?」

「ん……は?あ?だめに決まってんだろ。かわれ」


少しいつもより声を張った矢絃に、奏矢はハッとしてこちらを見れば、眉間にシワを寄せながら歩いて来る。逆に矢絃は壁の方へ向かった。
< 224 / 233 >

この作品をシェア

pagetop