重いけどいいの?お嬢サマ
✧締め付けられる心✧
◇*◇*◇
──目が、血走ってる。
矢絃に返事が出来たというのに、ほとんど寝れなかった。
いや、逆に返事が出来たから、なのかもしれないけど。
今朝、矢絃にはいつも通りに接すれば、満足そうにおはよって言ってくれた。
そして学園に行ってすぐ、慧にはちゃんと矢絃へ伝えられたことを言えば、
『良かったな』とハグをされて。
早く寮に帰ってきてくれーと言われた。
午後の執事たちとのダンスの授業も、普段通りに過ごすことができて……私の中では、ほんの少しだけぎこちなさが出てしまうかも、なんて思ってたけど杞憂だったみたい。
「あ、ごめんオジョーの足踏んだ」
「平気よ。体重のってなかったから」
「ギリセーフ?良かった。んじゃ、交代か……奏矢。……奏矢?」
私から離れ、奏矢と交代するはずが奏矢は立ったままどこかを見ていた。
「変なの。いつもならすぐオレと同じでかわれ今かわれ、ってスタンバイしてるくせに。奏矢、オジョーとオレ続けていいの?」
「ん……は?あ?だめに決まってんだろ。かわれ」
少しいつもより声を張った矢絃に、奏矢はハッとしてこちらを見れば、眉間にシワを寄せながら歩いて来る。逆に矢絃は壁の方へ向かった。