重いけどいいの?お嬢サマ
✧オモテとウラ✧
◇*◇*◇
寮生活はじめての夜──
もうお嬢様たちも執事たちも、各々が自室にいて、寝るまでの時間を過ごしている頃……
の、はずなんだけど──
「あー!!だりぃ……矢絃、それ取って」
「それってなに」
「そこにあるチョコだよ!チョコ!」
「ならチョコって言えばいいのに。あ、でも待って、今いいとこなんだよね。だからやっぱ無理」
「手、伸ばせばいいだけだろ」
「届かない。無理。今は」
私のベッドの上に体育座りをし、スマホでマンガを読む矢絃。広げられたお菓子の山からチョコ、と寝そべりブスくれている奏矢は目を細める。
と、その二人に挟まれて読書をしている私。