重いけどいいの?お嬢サマ
「……いやぁ、今日もわたしのせいで不協和音だったな。自分でやってて言うのもあれだが、なかなかのギコギコだったし」
授業後、廊下を歩きながらへらへらと笑う慧。
その後ろを歩く春夏冬さんはずっと小さく拍手をし、秋葉さんはどうしたものか、と悩んでいるようで。
「……ねぇ慧?今月の終わりにテストがあるの分かってるよね?」
「てすと……?」
「そう、今やってる曲を一人ずつ弾くの」
「えーっと……バイオリンで?」
「むしろそれ以外何があるの」
話も聞いていなかったらしい。
慧らしいっちゃらしいけど。
「……って、あれ?慧?」
「わぶっ!!」