重いけどいいの?お嬢サマ
真っ直ぐ自分の席に戻った私のもとへ、慧は荷物を片してから走りやって来る。
次の授業の準備をしつつ、前の席に座った慧へ目をやれば、なぜか顔を緩ませていた。
「そういや、もうすぐ長期休みがやってくるな」
そういうことか……
「もうすぐってわけでもないと思うけど」
ヴァイオリンのテストからの解放感がすごいのだろう。
「いやいや、割りと同じ日常を過ごしてるうちに夏休みは来るものだろ?」
「そしてその夏休みはいつの間にか終わりをむかえる、と」
私の言葉に慧は、うっ……と声をもらす。
誰しもが長い休みなのに、早く終わってしまった気持ちを味わったことがあるはずだから。
「み、美青は勿論家の方に帰るだろ?」
「まぁ……寮にいてもやることないしね。慧は?」
「わたしも帰る。それで、だ。……良かったら休み中家に来ないか?わたしも美青の家に行きたいしな」
家の行き来、か。
こうして学園で話すし居る時間は長いとは思うのに、お互いの家には行ったことがない。
別に行くのも来てもらうのも、構わないんだけど。
二年になったわけだし、そういうのもありかもしれない。