ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「それで、優花のほうは最近どう?」

「たしか、スーパーのレジだっけ」

「うん。えっと……」

 二人の問いかけに、私はすぐに答えられなかった。

 スーパーでは従業員もお客様も大半は優しい人ばかりのため、楽しく過ごせていると思う。

 しかし、保育士を続けている二人とは違い、私は保育の場から逃げた立場だ。それもあり、どうしても気後れしてしまう自分がいた。

「それなりに楽しいよ。社員さんもパートさんも良い人ばかりだし」

「良かった。優花の保育園大変だったもんね」

「今さっきネットニュースに流れてたけど、今とんでもない騒ぎになってるみたいだね」

「……え?」

「あれ、知らない? ほらこれ」

 桃子は、スマートフォンでとあるニュース記事を開いて見せてくれた。

 ニュース記事のタイトルには、このように書かれていた。

『楠山保育園、保育士一斉退職。保護者騒然。保育の現場で一体何があったのか』
< 43 / 145 >

この作品をシェア

pagetop