ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「さてさて。食べながら、進捗報告と行きましょうか」
「何の?」
「‘‘彼’’との進捗報告に決まってんでしょ?」
「っ!?」
実夏のひとことに、桃子は飲み物を吹き出しそうになり、私はスモークサーモンをフォークから取り落としそうになった。
実夏は「彼」としか言っておらず、誰がとは言っていない。
しかし今、私たちの頭の中には、それぞれ別の男性(かれ)の顔が瞬時に思い浮かんだことは安易に想像できる。
実は夏祭りをきっかけに、桃子と実夏は黒崎さんの友達二人と仲良くなった。そしておそらく、二人とも違う「彼」を狙っているのだ。
何で私がそんなことを知っているかというと、桃子も実夏も、最近になってSNSで投稿する写真に、「狙いの彼」の持ち物などが映り込んでいるからである。
「はい、じゃあまずは桃子から。最近、香坂さんとはどうよ?」
黒崎さんの友達の香坂さんは、眼鏡を掛けた真面目そうな雰囲気の人だ。話し方からも頭の良さが滲み出ており、努力家な優等生タイプの桃子と話が合うようだ。
「デートとか行った?」
「っ、別に、大したことはしてないわよ……! ただ、香坂さんも仕事柄、資格勉強してるから、たまに一緒に勉強するぐらいで……」
「ふうん、それだけ?」
「っ、勉強の息抜きに映画を観に行ったり……そんぐらいだから」
いつものハキハキとした口調はどこへやら。ノンアルコールドリンクを飲んでいるはずなのに、桃子はすっかり赤面していた。
「何の?」
「‘‘彼’’との進捗報告に決まってんでしょ?」
「っ!?」
実夏のひとことに、桃子は飲み物を吹き出しそうになり、私はスモークサーモンをフォークから取り落としそうになった。
実夏は「彼」としか言っておらず、誰がとは言っていない。
しかし今、私たちの頭の中には、それぞれ別の男性(かれ)の顔が瞬時に思い浮かんだことは安易に想像できる。
実は夏祭りをきっかけに、桃子と実夏は黒崎さんの友達二人と仲良くなった。そしておそらく、二人とも違う「彼」を狙っているのだ。
何で私がそんなことを知っているかというと、桃子も実夏も、最近になってSNSで投稿する写真に、「狙いの彼」の持ち物などが映り込んでいるからである。
「はい、じゃあまずは桃子から。最近、香坂さんとはどうよ?」
黒崎さんの友達の香坂さんは、眼鏡を掛けた真面目そうな雰囲気の人だ。話し方からも頭の良さが滲み出ており、努力家な優等生タイプの桃子と話が合うようだ。
「デートとか行った?」
「っ、別に、大したことはしてないわよ……! ただ、香坂さんも仕事柄、資格勉強してるから、たまに一緒に勉強するぐらいで……」
「ふうん、それだけ?」
「っ、勉強の息抜きに映画を観に行ったり……そんぐらいだから」
いつものハキハキとした口調はどこへやら。ノンアルコールドリンクを飲んでいるはずなのに、桃子はすっかり赤面していた。