ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「す、すみません。また俺、余計なことを……っ」

「いっ、いえ……ありがとうございます、大和くん、っ!?」

 私は反射的に、黒崎さんを下の名前で呼んでしまったのである。

「ご、ご、ごめんなさい……っ! 失礼しました……!」

「い、いえ……」

「おやおやぁ~?」

 どうやら、ことの一部始終を見られていたらしく、隣に座っている実夏が、すかさず茶々を入れてきた。

「いつの間に、そんなに仲良くなったんですか、優花さーん?」

「ちがっ、違うってば! さっきのは……っ、学校で先生をお母さんって呼び間違えるようなやつで……!」

「分かる、よくありますよね!」

 私をフォローするように黒崎さんは頷いてくれたが、今度は香坂さんが茶々を入れる。

「ていうか大和、こんなに面倒見が良い性格だったっけ? 俺も松葉も、お前に世話焼かれた覚えないんだけど」

「うんうん」

「自分のことは自分でやれるだろ、お前らは……!」

「ふふふっ」

 どうやら黒崎さんは、三人の中ではいじられキャラらしい。そんな彼を見て、笑いが抑えられない。

 和気あいあいとした雰囲気で、時間はあっという間に過ぎていったのだった。
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