恐怖姉妹
柚柚はこの問題がわかっていた。
解けていたのだ。

ちょっと漢字を間違えただけで2位に落ちてしまうなんて納得いかない。

「そうは言っても、それが試験だからな。これをバネにして大学受験では丁寧に回答するようにすればいい」

結原先生の言葉に柚柚は下唇を噛み締めた。
渋々自分の席へ戻るときに不意に愛乃と視線がぶつかった。

愛乃はこれみよがしに机の上に100点の答案用紙を置いて、そしてこちらへ向けて微笑んでいたのだった。

☆☆☆

「また1位なんだって? すごいなぁ小畑は」
「本当だよね。愛乃ちゃん今度勉強教えてよ」

休憩時間に入ると耳障りな声があちこちから聞こえてくる。

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