恐怖姉妹
両耳を塞いでもその声はグワングワンと頭の中で聞こえ続ける。
「柚柚、大丈夫?」

声をかけられてハッと顔を上げると、心配そうにこちらを見ている梨里がいた。
「うん……大丈夫」

そう答えても私達は双子だ。
大丈夫じゃないことくらい、梨里はとっくに気が付いているはずだ。

それじゃなくても今の柚柚は青ざめている。
「愛乃のやつ、調子に乗ってるよね」

みんなに取り囲まれてチヤホヤされている愛乃はさっきから頬を赤らめている。
『偶然点数がよかっただけだよ』

なんて口では言っているけれど、みんなのことを見下しているのはわかっている。

「あ、怜くんまで」
梨里のそんな声に柚柚ハッとして視線を向ける。

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