恐怖姉妹
柚柚と梨里は顔をしかめて「大きな声出さないでよ」と、注意した。
お金をあげているんだから、やることだけやって後は黙っていればいいのにと、内心ため息を吐いた。

「怜は昨日約束場所に来なかった」

柚柚の言葉に彩香が目を丸くする。
「そうなの?」

「そうだよ。だから私達はなにも知らない」
そう言って柚柚と梨里は彩香を置いて早足で学校へと向かったのだった。

☆☆☆

ひとつうまく行ったかと思ったら、ひとつよくないことが起こる。
人生ってそんな風にできているんだろうか。

二人が教室へ入ったとき、予想外の人物がそこにいて戸惑った。
「愛乃久しぶりだね。もう体調は大丈夫なの?」

「うん。どうにか」
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