恐怖姉妹
それなのに、その対応には雲泥の差がある。
1位じゃなきゃダメなのに、2位になってしまったから誰にも見向きもされなくなる。

自分はまるで透明人間にでもなってしまったような気分だった。
『柚柚、遊びに行こうよ』

それは高校に入学してすぐのころだった。
真新しい制服に新しい友だち。

それがうれしくて梨里は毎日のように学校終わりに遊びに出かけていた。
『私はいいよ。勉強したいから』

家庭教師が来る前に少し予習をしておきたくて、柚柚はそう答えた。

勉強机の上に置かれているのは高校3年生レベルの問題で、このテキストが終われば大学レベルの勉強を始めることができる。

< 21 / 233 >

この作品をシェア

pagetop