恐怖姉妹
そこにいたのはクラスで一番カッコイイ人気者の沖本怜だった。
モデルみたいに背が高くて顔も整っていて、ファンになっている女子生徒は沢山いる。

柚柚と梨里もその容姿にちょっとオキドキしてしまうくらいには、怜のことが気になっていた。
そんな怜は今愛乃のそばにいて、1位を取ったことをたたえているみたいだ。

「あのままじゃ怜くんを取られちゃうかもしれないよ?」
「別に、好きじゃないし」

柚柚が怜から視線をそむけていった。
うん。
確かに好きじゃない。

だけどあれほどまで褒められている愛乃を見ると柚柚の胸はジクジクを膿んだように痛みを持つ。
1位と2位との差はたったの2点だった。

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