恐怖姉妹
「そんなのわかってる。でも納得はできない」
そう言われて梨里は頷いた。

「そうだよね。納得はできないよね」
柚柚が納得できずにいるものを、梨里が納得できるわけがなかった。

だってふたりは双子だ。
ずっと一緒に生きてきたし、これから先もずっと一緒にいる。

誰よりもわかり会える存在でなければならない。
「それならさ、愛乃の本性を暴くっているのはどうかな?」

ふとひらめいたことをそのまま口に出した。
柚柚が怒りを引っ込めて目を丸くして梨里を見つめる。

梨里は我ながらいい案を思いついたと、ニヤついた顔をした。
「これから愛乃の後をつけてみようよ。愛乃にだって弱点のひとつやひとつあるはずでしょう?」

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