ホスト科のお世話係になりました
驚いて相手の名前を呼び、立ち上がる。
梨奈は胸まである長い髪の毛を後ろでまとめていて、以前よりもスッキリとした印象だ。

そう、昔の梨奈はもっと派手だった。
「なにかあったの?」
「いや、別に」

梨奈を直視することができなくて視線をそらせる。
「また、ホスト科の悩み?」
その質問に黙り込んでしまった。

梨奈も俺がホスト科にいることを知っている生徒の1人で、なにを隠そう梨奈は以前お世話係をしていたことがある。

梨奈がお世話係をやめてからはほとんど接点がなくなっていたけれど、同じ学校に通っているからこうしてバッタリ会ってしまうこともあった。
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