ホスト科のお世話係になりました
「失礼します」
小さく声をかけながらドアを開けると、まず最初に目に入ったのは大きな黒いソファだった。

カタカナのロの文字にテーブルを囲むように置かれた重厚そうなソファが黒光りしていて、足を踏み入れるのを躊躇してしまう。

そのソファには4人の男子生徒が座っていて、一斉に私を見ていることに気がついた。
全員の視線が突き刺さってくるのを感じてゆっくりと後ずさりをする。

部屋の中をざっと見た感じ生き物もいないみたいだし、きっと先生は間違えて私をここへ案内したんだ。
「間違えました」

そう言って退室しようとしたときだった。
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