ホスト科のお世話係になりました
隣にいるマルチーズくんが呆れ顔をしている。
だけど汰斗と呼ばれたその人はもう説明する気がないのか、ふんっと鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。

なにか機嫌を損ねるようなことをしてしまっただろうかと沈んでいると「汰斗はいつもあの調子だから気にしないで」
と、柔らかな笑みを見せた1人に言われた。
「僕は神里尋。よろしくお願いしますね」

大きな手を差し出されて咄嗟に握り返す。
やっとまともに会話できそうな人がいてひと安心だ。

「私は星野愛美です。よろしくお願いします」
ふたりで丁寧に挨拶を交わしていても汰斗と呼ばれた男子生徒は興味なさそうに窓の外を見つめている。
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