社長の推しは、地味メガネのわたしでした。
予想外の行動
ここで待っていればいいのよね?
数日前に、社長から送られてきたメールを再度開き、待ち合わせ場所が合っている事を確認する。チケットの手配を全て任せてしまったが、今夜のライブは、中規模会場で行われる。ファンクラブ会員限定のライブではあるが、チケット入手の倍率は、相当高い。ライブに行った事がない社長では、あの狭き門をかい潜るスキルを持ってはいないだろう。
私が、チケットを確保すべきであったと思う一方、チケットが取れなかったら取れなかったで、その方が好都合と思っている自分がいる。
今朝交わした妹との会話を思い出し気分が沈む。
「ライブ、急な仕事が入って行けないの」
そんな私の言葉に訝しげな視線を投げ、首を傾げていた妹。彼女にとっては、私が自分のライブに来るのは当たり前のことで、まさか断られるとは、考えてもいなかったのだろう。『ライブと仕事、どっちが大切なのよ』と最後まで食い下がっていたが、次の握手会を手伝う事で手を打った。
だからこそ、社長とライブに参加している姿など見つかる訳にはいかないのだ。
見つかりでもしたら、色々と面倒な事になる。昔から、恋人はおろか、友達ですら、妹に取られてきた過去がある。私の交友関係で、昔から付き合いのある人物など、従兄弟の『伊勢谷律希』くらいだろう。まぁ、付き合いがあると言っても、妹のマネージャーだから接点があるくらいの繋がりでしかないのだが。
そんな事を考えつつ、ビルの壁に背をつけ車が行き交う道路をボーッと見つめる。その時だった。一台の黒塗りの車が、スーッと音もなく前方に停車した。見るからに、高級車という外観に嫌な予感が頭をよぎる。
まさかね……
数日前に、社長から送られてきたメールを再度開き、待ち合わせ場所が合っている事を確認する。チケットの手配を全て任せてしまったが、今夜のライブは、中規模会場で行われる。ファンクラブ会員限定のライブではあるが、チケット入手の倍率は、相当高い。ライブに行った事がない社長では、あの狭き門をかい潜るスキルを持ってはいないだろう。
私が、チケットを確保すべきであったと思う一方、チケットが取れなかったら取れなかったで、その方が好都合と思っている自分がいる。
今朝交わした妹との会話を思い出し気分が沈む。
「ライブ、急な仕事が入って行けないの」
そんな私の言葉に訝しげな視線を投げ、首を傾げていた妹。彼女にとっては、私が自分のライブに来るのは当たり前のことで、まさか断られるとは、考えてもいなかったのだろう。『ライブと仕事、どっちが大切なのよ』と最後まで食い下がっていたが、次の握手会を手伝う事で手を打った。
だからこそ、社長とライブに参加している姿など見つかる訳にはいかないのだ。
見つかりでもしたら、色々と面倒な事になる。昔から、恋人はおろか、友達ですら、妹に取られてきた過去がある。私の交友関係で、昔から付き合いのある人物など、従兄弟の『伊勢谷律希』くらいだろう。まぁ、付き合いがあると言っても、妹のマネージャーだから接点があるくらいの繋がりでしかないのだが。
そんな事を考えつつ、ビルの壁に背をつけ車が行き交う道路をボーッと見つめる。その時だった。一台の黒塗りの車が、スーッと音もなく前方に停車した。見るからに、高級車という外観に嫌な予感が頭をよぎる。
まさかね……