社長の推しは、地味メガネのわたしでした。
すぐにでも、憎んでないと告げるべきだと頭ではわかっているのに、言葉が出ない。心が納得しないのだ。
長い年月を経て積み重なった心の澱みは、自分が想像する以上に深く濁っているのかもしれない。どんなに詭弁を吐いたところで、心は納得しない。
もう、普通の姉妹のようにはなれないと自分でもわかっている。
「そうね……、美春のこと憎いかって言われたら、憎いよ。だって、そうでしょ。今まで、美春に奪われてきたものを考えれば憎くもなるよ。友達、恋人……、それだけじゃないよね。仕事だって、私生活だって、すべて美春の都合に合わせて来た。私の今までの人生すべて美春に捧げてきた」
「だって、それは……、お姉ちゃんの代わりに『鏡レンナ』としてデビューしたんだから、協力するのは当たり前じゃない。私だって、お姉ちゃんのために自分の人生、犠牲にしている」
「私のために美春の人生が犠牲になった? 馬鹿言わないで。誰が美春に『鏡レンナ』としてデビューしてって頼んだのよ。最終的に決断したのは美春よね。都合が悪くなるといつもそう言って、私に罪の意識をすり込んでいた。その言葉がどれだけ私を追いつめていたかなんて、考えもしなかったでしょ」
「違う、違う……、そんなつもりなかった。お姉ちゃんだって、私が『鏡レンナ』としてデビューしてなかったら二人で暮らすなんて無理だった。伊勢谷のおじさん達のお世話になって、今より自由な生活なんて出来なかったはずよ。そうよ……、そう、感謝されこそすれ、恨まれる筋合いなんてない!」
そう言って笑い出した妹はきっと、勝ちを確信したのだろう。いつもと同じように、私を言い負かし、自分の思い描く結末を迎えられると。
ただ、彼女はまだ知らない。
私が美春の稼ぎに頼ったことが、一度たりともないと言うことを。
長い年月を経て積み重なった心の澱みは、自分が想像する以上に深く濁っているのかもしれない。どんなに詭弁を吐いたところで、心は納得しない。
もう、普通の姉妹のようにはなれないと自分でもわかっている。
「そうね……、美春のこと憎いかって言われたら、憎いよ。だって、そうでしょ。今まで、美春に奪われてきたものを考えれば憎くもなるよ。友達、恋人……、それだけじゃないよね。仕事だって、私生活だって、すべて美春の都合に合わせて来た。私の今までの人生すべて美春に捧げてきた」
「だって、それは……、お姉ちゃんの代わりに『鏡レンナ』としてデビューしたんだから、協力するのは当たり前じゃない。私だって、お姉ちゃんのために自分の人生、犠牲にしている」
「私のために美春の人生が犠牲になった? 馬鹿言わないで。誰が美春に『鏡レンナ』としてデビューしてって頼んだのよ。最終的に決断したのは美春よね。都合が悪くなるといつもそう言って、私に罪の意識をすり込んでいた。その言葉がどれだけ私を追いつめていたかなんて、考えもしなかったでしょ」
「違う、違う……、そんなつもりなかった。お姉ちゃんだって、私が『鏡レンナ』としてデビューしてなかったら二人で暮らすなんて無理だった。伊勢谷のおじさん達のお世話になって、今より自由な生活なんて出来なかったはずよ。そうよ……、そう、感謝されこそすれ、恨まれる筋合いなんてない!」
そう言って笑い出した妹はきっと、勝ちを確信したのだろう。いつもと同じように、私を言い負かし、自分の思い描く結末を迎えられると。
ただ、彼女はまだ知らない。
私が美春の稼ぎに頼ったことが、一度たりともないと言うことを。