Dearest 2nd 〜Moon〜
「──────……」







……おーい。





もしもーし。



生きてますかー。



聞こえてますかー。





心の中でマリア様に呼び掛ける俺。

 


明らかに距離を置き、窓際で一人腕を組み、窓から景色を見つめて視線を合わせない。




いや、自ずと合わせようともしない一匹狼がそこにいた。





──────…こんなにも頑なに人との関わりを遮断するマリアを見ると、遥か昔を思い出す。





マリアと初めて出会った日のことを。










“あんた、何?



あたしの何が分かんの?




ほっとけよ。あたしに二度と近寄んな。”









……って、さ。



俺もちょうどこんな態度を取られたっけ。





まるで捨てられた子犬の様に、寂しい目をしていた。



でも近付いてきた人間を、“自分を捨てた人間”だと判断すると容赦なく噛み付いてくる。




……そんな、寂しさに震えている子犬のようだった。


  








“──────……もう誰も信じない。




信じたくなんかないんだよ。




信じるのに疲れた…



だからあたしはあんたの事も、信じない。”








「………」




俺は数年前の、傷まみれのマリアがふいに重なった。







「───…あいつはマリア。

マリア~!!こっち来いって!」

 




俺の呼び掛けに一瞬反応してこちらを向いたものの………





─────プイッ。

  




あらやっぱり。







しょぼんとうなだれる彩を見て、咄嗟に壱が駆け付けた。




「気にしないでアヤヤ!
あいつはいつもあぁなんだ!超~~~っ無愛想なの!」




──────ギロッ!




壱の一言に、マリアの目が怒りを現している。





……あ。その睨み、今したらあかんやつやって。






「・・・・・」




ほらな。



ますます硬直してしまい、固まる彩を見て溜息が。




こりゃダメだ。





「あ゛ー!!!!!もうっ!


───壱!マリア!


お前らこんな時にまでケンカすんなって!


………マリア、頼む。
とりあえずこっち来るだけ来て?」





「……………」





マリアは仕方なしの態度全面で、面倒くさそうにこちらへ歩いて来た。


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