Dearest 2nd 〜Moon〜



しばらく経ったあと。





─────カチャッ!




不意に扉が開き、お馴染み隼人の姿が。




「───お、いたいた!
朝岡~、さっき委員会がライブの事で探し回ってたぞ。行った方がいいんじゃね?」



「おー、マジか。
分かった、すぐ行く。」




隼人も隼人で実行委員だからか、そそくさと足早に姿を消して行った。




「……って事でお呼び掛かったからちょっと行ってくるわ。

彩ごめんな。
すぐ戻って来るからここで待っててくれるか?」



「あ、うんっ!」



「……ありがと。」




軽く彩の頭を撫でて部屋から出る。



ま、壱と吾郎がいるから大丈夫だろ。



マリアも、俺の事を心配する余りあんな態度になってしまうのも分かるし。








廊下を急ぎ歩いていると







「───あ、いた!!朝岡くん!」






「あれっ?香宮さん?」






声を掛けてきた香宮さんの腕には何と実行委員の札が。




「も~!!探したんだよ!!
朝岡くんライブ出入りする時に必要な許可証渡そうと思ってもいないんだもん!!」



「……あ。あ~…忘れてた…」



少し怒り口調の香宮さんが実行委員だということをようやく理解した。





「……香宮さん、今年実行委員やったんやな。」





「そうよ。ほらこっち向いて。付けてあげる」





──────ふわっ…


 

香宮さんのシャンプーの匂いがふわりと漂う。




「今日の衣装、これ?」


「あ、上着だけ着替えるかな。」



「そうなの。じゃあシャツに付けておくわね。」





上着の中のシャツに手を伸ばし、丁寧に許可証をつけてくれる香宮さん。




「……何か新妻がネクタイ付けるみたいな図やん、これ。」



「あはは、みんなに見られたら袋叩きにされちゃうわね、私。」




「俺はラッキーですけど?」




「もー朝岡くんたら」





ふふっと笑う香宮さんの笑顔が、ほんと明るくて眩しいくらいだ。




「……よしっ、オッケー!」



「ありがと♪」




ニコッと笑うと、香宮さんは頬を染め






「────頑張ってね。応援してる。」





ちょっと照れた様に、はにかんだ笑顔を返してくれた。





「……ありがとう♪」




「今日は大丈夫そうなの?
結局は今回朝岡くんがヴォーカルのままなのよね?」



「うん、そう♪」




「そっか……嬉しいな。また歌ってる姿見れるのね。」




「お陰様で絶好調♪多分歌えそう。
香宮さんのお陰やで、ほんま。ありがとうな。」




「そんな……」




うつ向き、照れながらも微笑み合う。




「香宮さんの声で俺ここまで立ち直れたから…

頑張るから楽しみにしてて♪」 




「うん…!すごく楽しみにしてる…」





ありがとう、と互いに手を振り、彩達がいる部屋へと急いで戻り……







「───さっ♪
時間やし移動しよか♪」



「うん!!♪」







────……そして……




俺達はライブ会場へと足を運んだ。



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