Dearest 2nd 〜Moon〜
「・・・・・」
意地でも顔を上げないつもりらしい。
ライブ後のアドレナリン大量に出過ぎたせいかな。
「ふっ……」
もう、君の何を見たって“愛しい”と言う感情にしか繋がらない。
誰に何言われたっていい。
お前おかしいだろって笑われてもいい。
「………朝岡さん……?」
「んー?」
「────…ライブ…
すごかったよ…
あたしすごい感動した…」
うつ向いたまま、素直に告げてくれた君を見て。
────────……
俺は穏やかに笑い、君の瞳を見つめた。
……なぁ、彩。
君への愛しさが止まらない。
どうしたらこの愛しさを止められる?
今まで味わった事のない感覚に、戸惑うことさえ忘れるくらい君だけしか見えない。
こんな感情、生まれて初めてだから?
もう止める方法さえ、教えて欲しいと思わない。
……そんな、笑っちゃうくらい呆れた恋心を抱いて。
俺はこの頃、ただ前を見ていた。
……知らなかったんだ。
本当に、知らなかったんだよ。
愛しさの裏側に潜む悲しさがあるなんて。