Dearest 2nd 〜Moon〜
第21章 降り積もる恋心
第21章 降り積もる恋心
「うー寒っ!」
学祭でのライブが大成功し、“紅”としてのバンド活動も再び軌道に乗り始めた。
……同時に季節は冬へと色を変え、寒々しい北風を体に打ち付ける日々が始まった。
「……なぁ、マリア。
お前よくこんな寒いのにキンッキンに冷えたビール飲めるなぁ〜」
「温かーい部屋で飲む、冷えたビールが美味しいんじゃない。
……いる?あるけど、ビール。」
「……いらん。今そんなん飲んだら俺凍る……」
「あっそ、残念。」
in マリアの部屋、 俺とマリアの二人ぼっち。
吾郎と壱は俺がバイト終わりに合流予定で不在。
……なので比較的バイト先から近いマリアの部屋で時間を潰すも、完全にマリアペース。
マリアの部屋には、必要最低限の物以外何もない。
まぁマリアらしいとは思うが。
ただ殺風景ではあるけど、窓から見える絶景の景色は俺達の中で一番の持ち主だと思う。
……何やらこの絶景をベランダから見つめながら飲む酒が最高なんだと。
しかもこの景色だけを気に入って契約したというから驚きだ。
カチカチ……。
俺はそんなマリアの部屋の中でも、特にお気に入りのソファーにもたれ掛かりメールを作成していた。
「……彩に打ってんの?」
「んー、そう。今からバイトですよー浮気じゃないですよーって。」
「ふぅん…マメだね、純は。」
「や、そんなマメじゃないよ。
……ってかマリア、お前彩となんか仲良くなったんやって?」
「へ…?」
「いや、彩がこの前のライブ終わってからマリアに声掛けたらいっぱい喋ってくれて嬉しかったって言ってたからさ?」
「……あぁ……まぁ、うん…。」
マリアはこの前のライブの後を思い出したのか、ゴニョゴニョと照れたように口ごもった。
「マリアが思ってたような、悪そうな奴じゃなかったやろ?」
「……まぁね。
チカみたいなタイプではないのは確かかな。」
マリアは“チカの件以来、少し俺の好きな奴に手厳しくなっていたのかもしれない”、と付け足した。