Dearest 2nd 〜Moon〜
「……ねぇ、純……」
「ん?」
マリアは吸い込まれそうな漆黒の夜空に向かってフーっと煙を吐き、
「……また、さ。
─────あたしが帰る時……ついて来てくれる……?」
伏し目がちに視線を反らし、不安げにポツリとそう零した。
「……」
────この通り……
マリアはあまり素直ではない。
けれど、きっとこれでも彼女なりにお願いしている方。
「……ははっ」
不器用ながら一生懸命意思表示しているマリアに、ついついふっと笑ってしまった。
「……何で笑うの……」
「……いや。
ホントはついて来て欲しいくせに。」
「……」
バツが悪そうにするマリアの頭をそっと撫でた。
「……安心しろって。
行ってあげるよ、一緒に。」
マリアは俺の返事を聞き、そのまま無言でコクリと頷いた。
「────純が……
純がいないとあたし多分帰れないから……
一人で帰る勇気ない……」
───────ヒュウウウゥ……
再び吹いてくる風に髪を揺らされ、俺達は無言で夜空のその先を見つめた。
「……大丈夫やって。
お前が受けた傷は俺の傷でもあるんやし……
な……?」
「……」
マリアの小刻みに震えた肩と、床に落ちた雫を見つめ、頭をポンポンと慰めるかのように撫でる俺は
「─────また行こうな……
一緒に……」
まるで自分にも言い聞かせるかのように、そう呟いた。