Dearest 2nd 〜Moon〜
部屋には、グツグツと鍋が煮える音と、うまそうな匂いで更に空腹感を煽っていく。
机には、沢山の酒と彩用のジュースに、俺がリクエストした通りのキムチ鍋。
いつものメンツにプラス彩がいるなんて、何か不思議な感じだ。
「───…じゃあー♪
改めてっ!!!!★
───純、お誕生日おめでとうっっ!!!!」
─────カツン♪
グラスとグラスが重なり響く音。
喉を通るビールがたまらなく美味しく思って、ついついペースが進んでしまう。
……まぁ彩がいるからかもしれないけれど。
「───くーっ、うまっ♪
ってかアヤヤ、せっかくなんだからお酒飲みなよ~♪」
「えっ!!無理無理!!!!
あたしお酒弱いもん!!」
壱が近付けてくるビールに思いっきり手を振る彩。
へー……。
酒、飲めないのか。
「お酒飲めないとか可愛い事、マリアの口から聞いてみたいもんだ。」
「……吾郎、それどういう意味?」
マリアが睨むと吾郎は肩をすくめた。
「みんなお酒強いんだねぇー……。」
これが俺達のいつものペースなんだけど、見慣れない彩は驚いた様だ。
「強いよ~♪
でもこの中で一番強いのは純じゃないかな♪
何せ浴びるほど飲んでも酔わないもん。」
「……へぇー……!」
その昔、酒豪のマリアと俺がどれだけ飲んだらつぶれるか試して、僅差で俺が勝った思い出を壱が続けた。
「……っていうか♪
せっかくの誕生日なんだからさ!
───純、アヤヤに食べさせてもらいなよっ♪」
──────ブッ!!!!!
思わずビールを吹き出す俺。
……な、何て……??
「…けほけほっ」
横で彩も同じくオレンジジュースを吹き出していたらしい。
真っ赤になりながらむせて咳を繰り返していた。
「………は、はぁ……?
壱、お前何言い出す──…、」
「ほら早く早く~♪」
「───えっ!?えぇっ!?」
グイグイと背中を押され、
彩との距離が更に近付く。
いやいや!意味分からんし!
……ってか!!顔、近っ!!
二人揃って顔を逸らし、あっちを向いてしまうと
「────はいこれ。」
マリアがしれっと、鍋の具が入っているお椀を彩に差し出していた。
ちょっ……、あのドS!!!!!
こういう時は率先して行動するマリアが、マジで鬼畜に見える。
「───ちょっ……、
こっこれをどうしろって言うの?!?!」
「熱いからね、純にふーふーして食べさせてあげて♪」
とどめに吾郎のこの一言。
彩は手渡されたお椀を持ったままうつ向いて固まっている。
俺も俺で真っ赤で言葉を発せないものだから、それを見て吾郎、壱、マリアはニヤニヤニヤ。
「〜〜〜…、」
こっ、こいつら〜〜〜……!
悪魔だ!!!!!!!!