Dearest 2nd 〜Moon〜
ザワつく人混みの中、彩と壱、吾郎の三人が前を歩いて行く。
俺とマリアはその後ろを、ちょっと離れた間隔を保ちながらも付いて行っていた。
「─────あのさマリア。さっきはありがとうな。」
「……へ?
……あぁ、あたしの予言当たったでしょ?」
「うん」
─────シュボッ!
そこでマリアが立ち止まり、ニコチンが切れたのか神社の脇でZippoに火を付けた。
「─────純さ。
……彩がいるといい顔するね。」
マリアは少し離れた場所で壱とはしゃいでいる彩をフッと笑いながら見つめた。
「……そうかな……」
「してるよ。今もめちゃくちゃ笑顔だよ。」
そこで、俺も彩が笑っているのを見つめては、自分では制御出来ない自然な笑顔が零れているのに気付いた。
「……ほんまや。」
「あははっ。
ほんとに好きなんだね。」
「んー……そうやな。
こんなに人を好きになるなんて今までなかったかも……」
そんな俺を見て、マリアはフッと笑い
「─────良かったね。
……あたしは純が幸せなら何でも嬉しいよ。」
マリアは夜空の星を見つめながら、目を閉じて笑った。
「────あとはあの子が純に早く振り向いてくれればいいのに……ね。」
「ま、そこは焦らずやよな。」
ははっと笑い合い、俺もマリアと夜空を見つめた。
澄んだ夜空には、ダイヤモンドのようにキラキラ輝く星達が燦然と輝いている。
「─────リリーも……。
きっと喜んでくれるよ。
あの子も、きっとずっと純の幸せを望んでるはずだから」
「……そうやったらえぇな…。」
……リリー。
リリーは、今の俺を見てどんな反応をするんだろうか。
いつものように、天使のような微笑みでけらけら笑ってくれるのだろうか。
叶えてあげられなかった願いに、未だ彼女を思い出しては胸が締め付けられる。
─────それはきっとマリアも一緒で。
俺達の前から忽然と姿を消したリリーを想っては、彩にその影を重ねていたのかもしれない。
何気なく夜空から視線を逸らし、前を見ると……
「……あ。何か売ってる」
「え?あ、ホントだ。」
俺は前方に何か人が溜まっているのを見つけて歩き出した。