Dearest 2nd 〜Moon〜



─────ザワザワ……。




灯りの下には、沢山の人だかり。


その行動を観察すると、財布を出したり、袋を抱えていたり……と。



多分、何かを販売しているようだ。


 

それは─────…






「─────あ、なるほど。御守りの販売か……。」





ズラリと並ぶ御守りは、定番の“交通安全”や“家内安全”などなど……。


各カラーに分けられ、その名目によって人々は様々な御守りを購入していた。




「へー…御守りか…」



「マリアはこんなん興味無さげやろな〜」



「─────ないね。」



「……だろうね、君は。」




……俺もないけど。




でもたまたま見た、壁に貼られたある紙を見た時。






「……あれ。彩って今年厄年入るんや。」





─────……そう。



その紙に書かれていたのは、前厄、本厄、後厄に当たるそれぞれの生まれ年が記入されていた紙だった。



それによると、ちょうど彩の生まれ年が記入されており、その下に“厄除け”の御守りが販売されている。




「……商売上手だね、この神社。」



マリアは怪訝そうな顔でポケットに手を突っ込み、神社に向かって毒を吐いていた。




─────厄年、か……




「……な、マリア。
お前厄年の時何かあった?」



「んー?気にした事ないけど、あたしは生まれてからずっと厄年だよ。」
  



「おい、それお前が言うと笑われへんから」




本気なのか冗談なのか、マリアはけらけらと笑い





「だってそんなの気にしたらキリないじゃん。」




“神とかそんなの信じないよ”、とばかりにキッパリと言い放った。




「まぁマリアはこんなんいらんやろうけどさー…」




「え、何?彩に買うの?」



「う~ん……いいのがあれば。」



「当てつけに恋の御守りでも買っちゃえば?」



「……それ重すぎるやろ」



相変わらずブラックジョークを飛ばすマリアと共に、並べられている御守りをじーっと見つめると





「─────あ、これ。これやな。」




ピンと来た。


この感覚こそが、直感だと思う。




彩がいかにも好きそうな、淡いピンク色の御守りを見つけたからだ。





「……あー。うん。彩っぽい。」





マリアにもお墨付きを貰うと、俺は迷わずその御守りを購入した。





  
─────…なぁ彩。

 


この時軽い気持ちで買ったこの御守りが。





“これに支えられたんだ”と。





後日、君が泣きながら笑って教えてくれるなんて、夢にも思わなかったけれど。



< 125 / 133 >

この作品をシェア

pagetop