Dearest 2nd 〜Moon〜
─────ザワザワ……。
灯りの下には、沢山の人だかり。
その行動を観察すると、財布を出したり、袋を抱えていたり……と。
多分、何かを販売しているようだ。
それは─────…
「─────あ、なるほど。御守りの販売か……。」
ズラリと並ぶ御守りは、定番の“交通安全”や“家内安全”などなど……。
各カラーに分けられ、その名目によって人々は様々な御守りを購入していた。
「へー…御守りか…」
「マリアはこんなん興味無さげやろな〜」
「─────ないね。」
「……だろうね、君は。」
……俺もないけど。
でもたまたま見た、壁に貼られたある紙を見た時。
「……あれ。彩って今年厄年入るんや。」
─────……そう。
その紙に書かれていたのは、前厄、本厄、後厄に当たるそれぞれの生まれ年が記入されていた紙だった。
それによると、ちょうど彩の生まれ年が記入されており、その下に“厄除け”の御守りが販売されている。
「……商売上手だね、この神社。」
マリアは怪訝そうな顔でポケットに手を突っ込み、神社に向かって毒を吐いていた。
─────厄年、か……
「……な、マリア。
お前厄年の時何かあった?」
「んー?気にした事ないけど、あたしは生まれてからずっと厄年だよ。」
「おい、それお前が言うと笑われへんから」
本気なのか冗談なのか、マリアはけらけらと笑い
「だってそんなの気にしたらキリないじゃん。」
“神とかそんなの信じないよ”、とばかりにキッパリと言い放った。
「まぁマリアはこんなんいらんやろうけどさー…」
「え、何?彩に買うの?」
「う~ん……いいのがあれば。」
「当てつけに恋の御守りでも買っちゃえば?」
「……それ重すぎるやろ」
相変わらずブラックジョークを飛ばすマリアと共に、並べられている御守りをじーっと見つめると
「─────あ、これ。これやな。」
ピンと来た。
この感覚こそが、直感だと思う。
彩がいかにも好きそうな、淡いピンク色の御守りを見つけたからだ。
「……あー。うん。彩っぽい。」
マリアにもお墨付きを貰うと、俺は迷わずその御守りを購入した。
─────…なぁ彩。
この時軽い気持ちで買ったこの御守りが。
“これに支えられたんだ”と。
後日、君が泣きながら笑って教えてくれるなんて、夢にも思わなかったけれど。