Dearest 2nd 〜Moon〜



着信相手の弥生とは、夏に東京の同窓会で会って以来。



何だろう、と不思議に思いながら、通話ボタンを押した。





────ピッ。





「……はい、もしもし?」



『あっ!!純!元気にしてる??』




電話口からは、元気そうな弥生の弾んでいる声。




「うん、この通り元気♪弥生も元気そうやな〜?」


『うんっ!!元気だよ!!
いきなり電話しちゃってゴメンね?』



「えぇよ、どないしたん?」



本題に触れると、弥生はますます嬉しそうな弾んだ声になり……、



『────あのねっ、私来週辺りそっちに旅行行く事になったの!!』




「えっ、そうなん?」



『うんっ★だから色々案内して欲しくって!!

ほら、この前純あたしがそっちに行ったら色々案内してくれるって言ったじゃん??』



「うん、確かに言うたな」



『せっかくそっちに行くから純にも会いたいし★
積もる話もあるしっ★★』




へぇーそっか。

こっち来るんや……と。


弥生の楽しそうな雰囲気にこっちまで笑ってしまう。


よほどこっちに来るのが楽しみなんだろうな。



……よし。



 
「オッケー。ほんならどこ行きたいかとか教えて♪
何か食いたいもんとか。」



『たこ焼き!!!!』


「……ぶっ、りょーかい」


『やったー!!!!ありがとー大阪大使っ!★★』


「えぇよ、ほんなら後で日程とか細かい事メールしてくれる?」


『うん!分かった!!』



“じゃあね”と電話を切り、パチンとケータイを閉じると





「────今の電話アヤヤっ?何か楽しそうだったね!!」




壱がワクワクと期待した表情で俺に問い掛けた。




「へ?違うよ、東京におった頃の友達。」



そう言うと、全員がキョトン…とし、俺もその様子に首を傾げた。



「……それ、相手女?何か会うっぽい事約束してなかった?」



「うん、そうやけど……」



マリアの含みを効かせた質問にも、“それがどうかした?”とばかりな全く動じない俺を見て、次に吾郎が溜め息を吐いた。



「……いや、ほらマリア……
純は恋愛には鈍感だからさ……」



「え?だから何が……」




「────純のバッッッカヤロー!!!!!!

それってアヤヤとは別の女の子とデートするって事だろぉーーーーーー!!!!!!」



ついには壱がちゃぶ台返しをしそうな勢いでまくし立てた。





「・・・・へ?」




呆気に取られ拍子抜けする俺に対して、壱は目に炎を灯し、拳をギュッと握って説教モードに。




「────純ってば鈍い!!!!!
アヤヤが泣いちゃうよ!?!?

他の女の子とデートなんかして!

純がもしその女の子とデートして、あんなコトやこんなコトして、そーいう関係になっちゃったらどーーーすんだよぉっっっ!!!!」



「……や、壱。それは純に限ってないだろ。

今俺達がツッコんでなかったら、純はそーいう状況になるって事も理解してなかったんだから」



「だってゴローちゃん!!!」



「……や、あたしは逆に面白いわ。
純が恋愛に対してこんなに鈍いヤツとは思わなかった」



「ドSの大魔王は黙っとけー!!!!」



くくっと趣味悪げに笑うマリアにビシッと指を向け、壱はプンスカしている。




……あれ?

これってもしかして俺責められてる??



……いや、だけど。






「……でもさ?

別に弥生はただの友達やし……」




ボソッと呟いた言葉を聞き逃さなかったのか、壱はまたキッと振り返った。



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