Dearest 2nd 〜Moon〜
歌詠みあって恋愛するとか、根性あるよなぁ…。
…───カリカリ…。
彩が解いていく古文を見つめていると、俺もつられて昔の恋愛事情を考えてしまった。
必死に文を送りあい、愛を確かめ合う二人。
この時代ではこんな方法でしか愛を伝えあえないってのは分かるけど、遠距離恋愛にも程がある。
「…俺やったら絶対心折れそう…」
「え?」
だってこの前の飯断られたメールでさえ結構きたし。
こんな時代、手紙一枚待つので日が暮れそうやし。
…っつか彩相手やったら手紙の返事とかくれなさそ~…。
「あーさおーかさーん?
ねぇ聞いてる~?」
「…や、うん、何でもない。こっちの話。」
「何?どういう事?」
首を傾げ俺を見つめている彩は、いつの間にか古文の宿題を終わらせている。
早っ!!!!!
……と褒めツッコミを入れようとしたが
「……でもさぁ?
いいよね、手紙もらうのって。」
「え?」
聞き返す俺と、頬杖を付いて口端を緩める彩。
「…──手紙♪
好きな人からのラブレター待ってるだけでワクワクドキドキしそう♪」
そう言って、羨ましそうに笑った彩。
「あたしもさ、どんなラブレター書こうかなーなんて、1日ずっと考えちゃいそう♪」
「……」
「あっ、でもね!!!!
あたし大奥みたいな泥沼恋愛はイヤっ!」
「何で?」
「考えただけでやだよ~!!だってライバルいっぱいだし!
子供とか出来たら王位争いあるし!!
ぜぇーったいしんどいじゃん!!」
「…」
…何か。
何かほんとに想像力豊かというかポジティブと言うか何と言うか……。
「朝岡さんが上様とかだったら絶対嫌!」
「…何ゆえに俺が殿様?」
「だって絶対モテるし!!
それをいいことに夜な夜な違う女の人んとこに通いつめるんだ絶対!」
「…しかも何故そんな遊びキャラ?」
「ぎゃー!!!!もう!
朝岡さんの変態!!エッチ!」
「…待て、勝手に暴走せんといてくれ。」
妄想からブンブンと手を振る彩を、何故か慌てて止める俺。