Dearest 2nd 〜Moon〜
「───彩は自分の親のこと好き?」
「……え?」
キョトンとしてる彩。
俺の目のフィルター越しには、そんな君は純粋さしか映らないよ。
きっと道を逸れる事なく進んでいるのは、背後にしっかりしたご両親が育ててくれているからだろうな…と。
「───…」
一瞬難しそうな顔をしながらも、案外答えは簡単だったんだろう。
「───大好き……。」
「───…そっか♪」
言えない人が多い中、親の事を自信を持って好きだと言える君の笑顔が好きだよ。
…───俺は
言えないから。
「───彩を育てた親に感謝♪」
妙に愛しくて、彩の頭を撫でた。
何だかすごく嬉しくて、満たされた気分に反映したかのように指先から愛しさが漏れる。
「…な…何で…?」
「……んー、だって彩がこんなに素直に育ってるからかな?」
「……そう…?」
「───親の事をそんな風に感謝してる彩が、俺は好きやな。」
「………えっ…」
…あっ、ヤバい。
つい口が滑って本音が…
言ってから固まってしまう。
でも俺よりも酷いリアクションをするのは
─────ガタン!
───バサバサ──…ッ!!
「────…あ……」
“好き”というフレーズに全力反射する彩。
驚いたのか、自分の腕が机に当たり参考書が床に散らばっている始末。
な…なんつー全力なリアクション…。
「───あ……
参考書いっぱいあって邪魔だよね。あ……あたし、戻してくるね♪」
────…パタパタ…!
顔を真っ赤に染め、必死に参考書をかき集めて慌てて走って行く。
その手は震え、
顔は恥ずかしさに歪み、視線は空の上。
見ている内にサッと消えてしまう姿はまるで蝶。
…──おちおち見てるだけなんてしてたらまた逃げられてしまうよ。
───追いかけなきゃ。
俺が捕まえたい蝶は、見つかったらすぐに飛び立ってしまうから。
────…カツン
でもね。
俺が追い掛けてる蝶は隠れるのが下手だから。
「────…で?」
「っ、」
「───…それで俺から
逃げれたつもり……?」
簡単に居場所は分かるんだ。