Dearest 2nd 〜Moon〜



────…トンッ…







君の逃げ道を塞ぐ俺は意地悪?




それとも




それでも逃げようとする君が小悪魔なのか?








「……………ッ」








─────カタカタ……。







俺に背中を向けてはいるけれど、微かに震える指が見える。





「…ふっ…」





笑みが漏れる。





ほんといじらしいな。




そんな一生懸命に隠れなくてもいいのに。





そこまでして背中向けても、もうバレバレやよ?






───…その震えてる指に手を重ねる。








────ビクッ!



 






怯んだ瞬間も逃さない。







「───…こっち向いて………?」







逃がしてなんか、やらない。







「………………」






ねぇ早く振り向いて。





そうやって俺が言った言葉に、やってる事に真っ赤になってる姿を俺に見せてよ。







「………………」






彩は観念したのか、ゆっくりと振り向く。





それでもまだ俺を見ようとはせず床を見つめてるとこは、最後の反抗って感じ?






「……あ………の………」







そんな風にしたらさ。









「───顔……上げて?」








いじめたく、なる。








やっと顔を上げ、俺を見つめてくれる彩の瞳。







「…………彩………」






その瞳が俺に向けられているって思ったら、そう。







───泣きそうになる。






だってこんな事、今までなかったから。





こんなシチュエーションも、チャンスだって。





俺には無縁だった。





だから───…





そうやって見つめてくれる事だけでも、俺にはすごい奇跡なんだよ。


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