Dearest 2nd 〜Moon〜
第19章 数奇な巡り合わせ
第19章 数奇な巡り合わせ
春が終わり夏が過ぎ…
夕焼けの空も茜色、なんて表現がピッタリな頃…───
カレンダーは秋を知らせているけれど、まだまだこの街の残暑は厳しい。
───…最後の週の夏休み。
俺の家には、またいつもの仲間が居座っている。
「…───夏ももう終わりか……」
窓から見える夕焼けを見つめ、片手にビールを持っているのはマリア。
「───プールに海に花火にスイカ!
もう出来ないなんて超~寂しいよねぇ~!!!!
でももうあと一回くらいなら海行けるかなぁっ?」
壱は未だに夏気分を背負ったまま。
「行ってもいいけどクラゲだらけだよ。」
そんなくだらない壱の一言にもキチンとフォローを入れるのは吾郎の役目。
「……そっかぁ…。
クラゲだらけだと泳ぎたいけど泳げないね。」
「一回刺されて来たらいーじゃん。」
「うっさい大魔王!」
ギャーギャー喧嘩になるのはいつもの事。
俺は珍しくその輪から離れ、トランクに荷物を積めていた。
「……用意、終わった?」
ビールを差し出す吾郎に、首を傾げる。
「……ん~、多分。
ま、万が一何かなかったとしても向こうにもコンビニはあるし大丈夫っしょ。」
────プシュッ!
トランクに鍵を掛け、缶ビールを開ける。
ふぅっと息を付くのも束の間、
「───いいなぁ~旅行!
オレも行きたぁ~い!」
壱は羨ましそうに尻尾をパタパタ。
「旅行っていうか…
同窓会やって、同窓会。」
「どっちも変わんないってぇ♪オレも行きたぁい!」
「そんなに行きたいならトランクに入ればいーじゃん。
良かったら手伝うよ?」
「うっさいマリア!」
…───そう。
実を言うと明日から。
俺は同窓会に出席する為、東京に行く事になっていた。