Dearest 2nd 〜Moon〜
広いターミナルへ足を踏み入れれば、そこは夏休みも終盤っていうのに、結構ごったがいしている空港内。
朝早くにも関わらず、ビジネスマンや家族連れ、カップルで溢れていた。
特に、これからの旅にはしゃいでいるカップルが目について……
素直にいいよなぁって思ったり。
何たって、こっちは夏休みに一人旅。
何だかんだ言って来たがってた壱を誘えばよかったかも?
……なーんて。
実際、行きたい人は決まって一人なクセにな。
「いらっしゃいませ」
荷物を預け、搭乗手続きを済ませ、流れるように保安検査へ…。
巨大な窓から、これから乗る飛行機をボーっと見つめ
そろそろケータイの電源を切ろうかな、とぼんやり思っていた時。
─────♪…♪~♪
「…え…」
思いがけない着信音に胸がグッと高鳴る。
だって、彩からの電話?
搭乗時間は差し迫ってはいたものの、珍しい彩からの着信に負けて通話ボタンを押す。
「───…はい?」
『あ…、朝岡さん?』
繋がった瞬間戸惑った彩の声が聞こえ、途端に目尻が下がる。
「おはよ♪どうしたん?
彩から電話なんて珍しいな。」
『え?そう?』
「うん。
俺はすっげー嬉しいんやけど。」
『っ…』
「…あ…つい嬉しい過ぎて口が…ごめんやで。」
『う、ううん。あの…』
「ん?」
『…───あ…あたしもね?
その……、聞きたかったから……
朝岡さんの声…───』
─────…え…
今度は俺がフリーズ。
ってか、え?
今何て?
『…───だ、黙らないでよ朝岡さん…』
「あ、いやごめん…
だって何か今幻聴が…」
『───げっ幻聴じゃないもん!!
あたし朝岡さんの声がホントに聞きたかったんだよ!!
って……あ……』
叫んだ直後、彩はハッとしてゴニョゴニョ。
…────……
頬が赤くなる。
どうやら聞き間違いでも、幻聴でもなかったらしい。
『……同窓会って聞いて…その……、
ほ、他の女の人とかもいっぱい参加するのかなって……』
こんな幸せな事ってある?