Dearest 2nd 〜Moon〜
「……なんや隼人か。」



「何だ何だ〜⁉その言い草は!
ったく相変わらず朝岡は可愛いくねぇヤツだな!」




相手が隼人だと分かるとプイッとそっぽを向く俺。





「ちょっと待て!今日は大事な用があるんだよっ」




……が、そっぽを向いても隼人は更にその方向に回り込む。




「もー何やねん。どーせまた女紹介しろとかそんな用やろが」



「ま、まぁそれも大事な用だけどな」



「やだね断る」



「あっ!違う!冗談だよマジで違うって!!
はいこれ!!!!」



慌てた隼人はバサバサと何やら白い紙を取り出し、俺に見せつけるように差し出した。




「……何これ?」




手渡された白い紙の文字と






「何って……



────学園祭のライブ参加の申し込み用紙だよ。」







そう言い放った隼人の声が同時に脳に伝達された。



 

「……え…」




ライブ………


学園祭……







「─────純……」





マリア、吾郎、壱が目を合わせ不安げに俺を見つめる。







季節はもうすぐ秋。



そうか……

 

もう学園祭の季節なんだな……。






「去年はお前が派手に倒れたりして不参加になったけど今年はどーすんの?」






────そう。


去年のライブは俺が精神的にも身体的にも限界の極みだった。



チカの自殺未遂、脅迫、極めつけには"妊娠した"とまで言われ、相当参ったのかショックで去年の記憶が全くない。



何千もの視線に恐怖を覚え、声は喉に貼り付き出ない。




……そんな恐怖の状況だけは覚えているが、そのまま倒れて僅か登場ニ分弱でステージを去ったこと。




今までにない屈辱を味わった俺達紅は、その日を境に二度とステージに上がることはなかった。






そして俺は今現在も声を失ったまま───……。







「…………」





俺は差し出しされた参加申し込み用紙を見つめたまま動けなかった。



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