Dearest 2nd 〜Moon〜


決まったんやったら、早いとこ隼人に参加用紙出しといた方がいいな…。





「あー!!♡
純くーん!!今年ライブ出るのぉっ!?」




用紙を手に持ち、まだガヤつくだだっ広い廊下を急いだその途中。



遠くの方から声を掛けて来た女の子に手を振り返し




「おー♪出るよ〜!!」



「やったー!!純くん歌うのめっちゃ楽しみ過ぎる!
今度倒れたらあたし助けに行ってあげるからねー♡」



「おーありがとうー!
でも今回は俺じゃなくてマリアがボーカルやけどなー♪」



「えぇぇーっ!!今回皐月さんボーカルなのー!?」



「そー♪」




女の子に手を振り返し、前を向いた瞬間







────────ドンッ!!






「⁉」



「きゃっ!?」





ちょうど曲がり角で誰かにぶつかり、慌てて前を見る。




「ごめん!!大丈……」




そう言って慌てて手を差し出し、やっとぶつかった相手の顔を見て




「いたた……
あ、朝岡くん!?」






「────香宮さん!」





ぶつかった相手は香宮さんだ。



香宮さんは同じゼミ仲間で、ちょうど一年前の飲み会で周りからリストカットをしているとウワサされ一人だった。


そこで声を掛けてから、俺達紅のファンだと言ってくれ嬉しい言葉を掛けてくれた。




以来、香宮さんとは挨拶を交わす仲だ。





「久し振りやな〜!!元気にしてた!?
ごめんな、ちゃんと前見てなくて怪我ないか?」




相変わらず真面目で優等生な感じの香宮さんは、俺だと分かると若干戸惑った笑顔を見せ、はにかんだ。




「うん、ありがとう。
朝岡くん、相変わらずモテるのね」



「へ?モテへんよ、あれはファンサービス♪」



「もう、朝岡くんたら上手いわね。
そういうとこが女の子達にウケるのね。」




くすくすと微笑む香宮さんが前より笑顔が明るくなった気がした。



一年前、うつ向いて一人ポツンと座っている姿とはどこか違う感じがして嬉しくなる。





「笑顔、すげぇ可愛くなったな♪」
 



「え?えぇ??」



「そっちの方が何かえぇな♪
香宮さん、ちょっと明るくなった気がする。」



「え…」




香宮さんは顔を上げ、頬を淡い桜色に染めた。


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