Dearest 2nd 〜Moon〜
「朝岡くんたら……ホント、女の子を喜ばすファンサービス上手いわね。」
「え??違うよ、今のはファンサービスとかじゃなくて本心やで♪」
「え…」
ますますピンク色に染まる香宮さんに笑いかける。
香宮さんもそんな俺に降参したかのように笑いかけ、
「────あれ……?朝岡くんそれ……」
俺の手元を見つめ、用紙の字を目で追った。
「あ、これ?今年のライブ参加用紙…」
「────で、出るのっ!?」
最後まで言い終わらない内に、香宮さんはバッと顔を上げ叫ぶように俺に問い掛けた。
「うん、一応……」
「そうなの……!
また……また、朝岡くん達を見る事出来るの……?」
「え……??」
香宮さんは嬉しさからか、感激したように俺を見つめる。
その真っ直ぐ過ぎる目に、今度は俺がビックリしてしまう。
「私……去年のライブとても楽しみにしていたんだけど……
朝岡くん、ステージに立った途端血の気失くして倒れて……私もう心配で心配で……」
「……」
香宮さん……
そんな楽しみにしてくれていたのか……
「あれから……もう全然ライブ出演してないでしょ?
いつも色々イベント出演してるのに、今年はあれからゼロだから……」
「そんな見に来てくれてたんや……」
「うん、私前にも言ったかもしれないけど、あなた達の大ファンよ。
オリジナルもコピー曲も、パフォーマンスも楽しくて大好き。
……だから……
ここのところ全然見れなくて残念だった……。」
「香宮さん……」
「だから、待ってたの……
────朝岡くんの復帰………
ずっと…………」
────知らなかった。
知らなかったよ。
俺を待ってくれている人がいるなんて。