Dearest 2nd 〜Moon〜
────理由……か…。
自分から聞いておいて、いざ答えが返ってくるとまさにその通りで、間違いなくて。
吾郎が言った通り、俺は分からなすぎて難しく考え過ぎていたのかもしれない。
根本的に、俺は歌も音楽も好きだった。
────…そして彩の事も。
だからあの時歌いたかったし聞いて欲しかった。
ただそれだけだった。
「────彩か…。誘ったらライブ来てくれるかな…」
「さぁどうだろ?
でもそろそろその子のこと、いい加減俺らに紹介しろよ。
恋愛嫌いのお前がそんなに夢中になるその子の事見てみたいよ。」
「えぇー…?
んな夢中になってるんかな?
自分では全然分からへん……」
「ははっ、そりゃもう重症だな。」
吾郎はしょうがないなと笑う。
俺ももう何で悩んでたのかとかどうでも良くなってきて、一緒になって笑った。
「────…歌いたいかも…。もう一回…」
そう言うと、吾郎は笑って頷いた。
「自分からそう言ってくれんの、待ってたよ。」
待っててくれる人がいる。
それはきっとすごく幸せな事で、すごく有り難い事。
失った声と共に気付けたのなら、今まで悩んでいた事も無駄ではなかったと思う。
湧き上がる思いに、再び俺は音楽に対しての道標を取り戻した。
────もう一度歌おう。
待ってくれる人の為に。
聴いてほしい人の為に。