Dearest 2nd 〜Moon〜
「朝岡さん?何見つめてるんですかっ?」
「え?あっ、」
「キャー★何ですか!?これ!T大の学園祭⁉」
────バサッ!!
いつの間にか、キョーコだけでなく新入生達までもが俺を囲んでいたものだから、次から次へと声を掛けられ、その拍子にチケットを床へと落としてしまう。
「あ!!これ!ライブって書いてあるじゃないですか??」
「えーどこー??」
「あっホントだ!
えっえっ、まさかこれ、朝岡さん出演するとかあるんですか!?」
……あちゃー……
見つかってもうた。
みんなの目からキラキラ光線が出ているもんだから、俺は苦笑い。
それが俺からの出演する、という返事確認になってしまったのか……
「───えぇーっ!!!!
じゃあ、朝岡さんってバンド組んでるんですか!?!?」
女の子達は口々に高いトーンで叫び声を上げて質問が四方八方から飛んで来る。
み、耳が痛ぇ……
「───…うん、組んでるで♪」
「えーっ!!!!
じゃあじゃあ、朝岡さんは何のパートされてるんですかっっ?」
「───俺?
俺はヴォーカルやけど…」
「えぇぇっ!?!?!?!?
朝岡さんヴォーカルなんですか!?!?
きゃーっすごい!
歌ってる姿見たいです!!」
……更に全員でまた目からのキラキラ光線を受ける。
こ、これはチケットくれって事か……。
参ったな……。
この状況でチケットをやらない、なんて選択肢はなく。
「あ、じゃあこれあげるわ♪よかったらみんなと来て?」
「わぁーっ!!!!絶対行きます!!!!
朝岡さんありがとうございますっ!!!!」
俺はそう言って、蜘蛛の子を散らすようにチケットをバラまいてその場からカモフラージュ。
ようやく輪から脱出したその先に
「ん?」
─────あれは……。
「────あ!彩!」
「………え……、」
いつの間に部活に来ていたのか。
彩は目をパチパチして振り向いた。