Dearest 2nd 〜Moon〜
走り出した車の窓から、外の景色を楽しそうに見ている彩と共に、元来た道を戻っていく。
「ねっ朝岡さん、窓開けていい?」
「えぇよ♪」
「わーい★」
────ヒュウウウ…!
少し開いた窓から風が吹いてくる。
彩はその風を受け、楽しそうに微笑んだ。
「大学までどれくらい時間掛かるの?」
「せやなぁ、大体高速使って1時間半もあれば余裕で着くと思うで。
早起きしてくれてありがとう♪」
「──えっ、全然……」
そう返事をした後、彩は首を捻る。
…………ん?
俺何か今変な事言ったっけ?
……と、俺も首を捻りかけると
「──…ちょっと待って!
朝岡さんの方が、あたしよりずっと早起きしてるじゃん!!!」
……あ、そこ気付いちゃったのね。
「いやいや別に俺はどーでもいいの。」
「だって……!」
口を噤む彩がチラリと一瞬映る。
その表情が全力で申し訳無さを表していて。
「──…ごめんね…。」
ポツリ、と堪らなく寂しそうにそう言った。
「……」
そんなの、別にちっとも気にしなくていいのに。
──────…ポン…。
運転しながら、うなだれている彩の頭に手を乗せる。
「────…俺がやりたくてやったことやから。
どうしても、彩と一緒に行きたかった。」
「……朝岡さん……」
ちょうど車線変更してたから、見つめてあげられなかったけれど。
本音は──………
「────…ありがとう……」
「───…いーえ♪」
笑った君を見ていたかった。