その息尽きるまで時間は無限
そんな思考を遮るように、私の水浸しの顔面に、水の入ったサビだらけの重たいバケツが、鈍い音を出してぶつかる。


頭が、脳がぐらりとする。


脳しんとうに近しい感覚で、頭が一回転したように錯覚する。


バケツの水がすべて床にばらまかれる。

私のセーラー服にもかかる。

重いバケツをもろにくらった私は意識が遠のいていた。

プツッと切れる直前に聞こえたのは、真の

「全部掃除しとけよー?トイレのクッセェ豚女さーん」

という笑いの含んだ声と、遠ざかる4人の笑い声だった。
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